日本の平成不況時代の銀行支援の教訓081017
1.現在、世界大不況の入り口に当たり、「日本の教訓に習って欧米もどんどん銀行に金を入れよ」との主張がある。又政府は、「日本の教訓に立ち欧米にどんどん銀行にカネを入れることを勧める」といっている。
1.だが、果たして日本はどんどんカネを銀行へ入れたから経済が立ち直ったのか、それとも全くの逆効果だけがあり、そのお陰で大不況が何時までも続いたのかは、よく見る必要がある。
銀行に金を入れれば経済がよくなるという考えは、今思いつくかぎり順不同に並べると次のような考えだったと思う。
○大企業を支援すればその内利益が下の方に回ってくる:
だが現実には、高度経済成長期には事実であったそのような経済復活が、この度の平成不況においては見られなかった。つまり、世界的大競争時代の開始・IT革命・少子人口減少といった構造変化により、又政策が時代に合わないもののため、日本のGDPがゼロ・サムとなり、従って大企業が強くなることはそれだけリストラが進み、不正規雇用が増えるなど、貧困の拡大と・富裕層は更に富裕になるという格差拡大へとなったのだ。
○銀行が儲かるようになれば、銀行員(若しくは銀行経営者)が余分に消費をするだろう。そうなれば、そのための消費財産業がより儲かるようになり、そこでの給料(若しくは会社経営者の利益)がよりよくなる。だからより消費するだろうし、より消費財産業は景気がよくなる。だから更に消費が進み景気が良くなる:
実際は、バラマキによって消費は爆発しなかった。実際の統計を見てみよう。
1995年から1997年まで1人当たりの家計最終消費支出は上がり続けた。この年から2003年まで同統計値は下がり続けた。同年から再び上がり始める(平成不況の終わり)。
だが、この振幅の範囲は実に狭い。5%以下しか上下しなかったのである。下がる時は6年連続で下がったから、1年当たり1%の変化もない。だからこそ消費とは安定したものであり、消費税として狙われるわけだ。
つまり、人間とは収入が増えても消費が増えることはない。全部貯金や投資に回すものなのだ。1930年代の大恐慌の頃は、人々は貧しかったから食うものもなく、故に失業者が金を貰えばすぐに食事に消費された。だが時代が違うのである。バラ撒きをやれば数年後増税が有ることは次第に多くの人が知るところとなった。だから貯金に回すに決まっているのである。
○貸し渋り・貸し剥がしをやめさせるに効果がある:
実際は多くの人が知るようにこういう効果もなかった。なぜなら、現在次第に多くの情報が出るようになったが、当時の大半の銀行は実は既に潰れていたからである。自分が助かるのに必死なのに他人を助けられるはずがない。だから潰れる銀行は潰れるに任したほうが良かっただろう。低金利政策で銀行を助けた為に多くの人は金利収入を奪われ生活が苦しくなった。インフレ政策のため物価が下がらず、給料だけが下がって人々は貧しくなった。国債を大量に発行したため民間資金がそちらに行ってしまい、中小企業への貸し手がいなくなったのである。国の借金が膨れ、人々は将来の消費税の大増税におびえた。福祉も削られた。バラマキは逆効果であり、何もしないほうが未だ良かっただろう。
○日本発の世界恐慌が起きたかもしれない:
実際、小泉時代に次々と大きな会社が潰れたが世界恐慌は起きなかった。逆に小泉氏は、「これは構造改革が進んでいる証拠である」と言った。バラ撒きを少なくし、潰れる会社が出ることこそ世界は、「構造改革が進んでいるな」・「日本はバラマキから抜け出すのだな」と好感も持ったし、評価されたのだ。
当時、日本の銀行にカネを預けている外国人は少なかった。金利が低すぎたからである。だからバブルが発生したのだ。また少し前には欧米は日本を潰そうと円高を仕掛けていた。日本の銀行が潰れても欧米は歓ぶだけである。
考えられるとすれば、日本の株が下がることで外人が買い付けていれば損をすることだが、実際は多くの方が知るように、日本の株が下がることで禿げ鷹がわっと押し寄せてきて、買いあさり大儲けした。日本の株式市場に世界恐慌を起こす力がその当時あったなどは思い上がりだろう。
また、円高が下がることで、円を買っている外人が損失をこうむると恐慌が起きるということもうなずけない。何故なら当時もその後も日本政府はドル買い・円売り一本でやってきたはずだから。何故・どうして当時の日本の銀行が潰れると世界恐慌が起きるのか?
結局、銀行に金を入れるというのは逆効果だったのである。これが日本の過去の教訓だ。日本の景気がよくなったのは、単に中国景気につられて良くなったのだ。
